『ファンタスティックMr.FOX』 ネタバレ

ロアルド・ダール原作の「すばらしき父さん狐」こと『ファンタスティックMr.FOX』を観ました!

この3DCG全盛の世の中にストップモーションアニメで描いた本作。
監督は『ロイヤルテネンバウムス』でお馴染みのウェス・アンダーソンです。

僕はストップモーションアニメに弱くて、ヤン・シュワンクマイエルでさえもかわいいかわいい、と思ってしまうのです。
だから勿論『ナイトメアビフォアクリスマス』も『コラライン』も大好きでして。
無機物に命が吹き込まれて見える瞬間がとてつもなくキュンとするのです。
映像のマジックというだけでなく。
腹話術の人形や人形劇にも同じように儚い生命を感じてどうしようもなく泣けてくるのです。
一瞬の輝きという言葉がこれ以上ないくらい嵌るので。

で、『ファンタスティックMr.FOX』です。
原作のロアルド・ダールはもう説明不要なほどの稀代のストーリーテラーでして、絵本だけでなく大人向けの幻想怪奇小説もどれもみな面白い名作家ですのでストーリーの面白さはもはや説明不要です。

お話は、人間の文明に影響されて野性味を失いつつある父さん狐が「ボーン・ディス・ウェイ」よろしく人間を出し抜いて野性味を取り戻そうと勝手な事して奥さんに怒られて仲間からも非難を受けて息子からも理解を得られなくって孤軍奮闘する、という話なんですが、とにかくラストがお洒落でして。
結局、古今東西映画では消費文明の象徴ともいえる巨大スーパーマーケットに忍び込んで「これが現代の野生さ」なんてオチなのですが、その直前に真の野生であるところの狼が父さん狐の前に現れるのですよ。
そして、その真の野生と対峙した狐と狼の取った行動とは…。
もう泣けるんです!
かっこいい!男泣きですよ。

家族や仲間の問題もキチンと描ききっていて誰の心にも届くと思います。
なにより、ストップモーションアニメのかわいさがもう切なくてキュン死にですことよ。
とくに野性味をむき出しにする喧嘩と食事シーン。笑えてステキ。
サントラもステキ!
オススメです!

ファンタスティックMr.FOX [DVD]

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すばらしき父さん狐 (ロアルド・ダールコレクション 4)

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