『ブルーバレンタイン』 ネタバレ

こないだなんですけど、『ブルーバレンタイン』観ました。
(500)日のサマー』をより残酷にして真っ逆さまに突き落としたような映画。

何故、この二人の愛は減っていってしまったのか?
を終始考えながら観ている内に、スクリーンの中の二人の会話や仕草や表情に、誰にも思い当たるような要素がてんこ盛りに含まれていることに気付きます。
それ故に「あの二人が駄目になってしまったのはあの瞬間に違いない」と思うポイントが観客によってそれぞれ異なり、「同じ作品を観ている筈なのにこうも思うことが違うのか!」という結果を心に残します。
だからこれはつまり、観た人の人生や哲学や恋愛経験を映す鏡のような映画なんですよね。
だから観た人によって心が痛むシーンが違うんです。
もちろんそれを成功させるには並大抵の努力では成し得ません。
観客が途中で「これは俺のことじゃないわ」と気付いてしまったら終わりだからです。
それを監督と役者が気付かせなくするためにすごい方法をとるのです。
それは、「年月と心の疲れによる肉体の衰え」です。
主人公の二人は若く出会った頃は美しく輝き、別れてしまう頃にはみすぼらしく太っているのです。
これを共感できない人は中々いないと思います。
時間が立つという事ですから、それって。

そしてこの映画は、時間をバラバラに切り刻んでいる映画なのです。
そこから来る、クライマックスの、あの、花火。

本当に残酷で力強い作品ですが、僕は自分の嫌な部分がたくさん見えて、本当に気分が悪かったです。
あーやだやだ!

凄い力を持った観るべき作品です。
でも、なるべくカップルでは観ないようにしましょう。

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